吹奏楽からの音楽生活史 2 サックスという誤配だったのかもしれない
このシリーズを書き始めるにあたって、結局は私の長い長い自己紹介になっていく為あえて自己紹介を書かないでいたが、読んでくれている皆さんが深読みしなければならないストレスは与えたくないので(そういうのはいつかミステリーを書くときに存分にやってみたい!)
情報を小出しにしていこうと思う。
なので知っている人はうまく読み飛ばしてほしい。
私は中学の吹奏楽部からサックスを始め、クラシックのサックス専攻で音楽大学を卒業し、今も教えたり教わったりしながら暮らしている。
サックスに出会う前より、共に生きた人生の方が長くなった。
よって、(怖くて何キロあるのかいまだに量ったことがない)重いサックスを背負って歩く日は今まで生きてきた日数の半分くらいにはなってる?かも。
重い道着を身に付け日々トレーニングしていた悟空のような負荷である。毎日筋トレ!
サックス背負ってない日は歩くのが速い、ってか何故か無駄に走ってしまう!
サックスはやめとこ…😒
今でもハッキリ覚えていることがある。
この定期演奏会で小6の私は「サックスは難しそうだからやめておこう」と思ったのだ。
そもそも楽器の種類も全部知らないのだが、姉が鼓笛隊でトランペットを一瞬だけやっていたので何となくトランペットがやりたかった。
それか、演奏会中動いててずっと目立ってた打楽器が良いな~と決めていた。
その他の楽器の感想はとくになく、サックスに対してはネガティブ印象、「アレは無しかな」と思った。
サックスの難易度
“サックスは難しそうだからやめとこ~”と思ったのは、多分アンコールの『宝島』か何かを聴いたときだった気がする。
この曲は吹奏楽の人なら血湧き肉踊る大人気ナンバーで、二度に渡るアルトサックスのソロ、しかも二度目に登場するときはアドリブソロが16小節!!
今の私ならハンターのごとくその美味しいソロをぶん捕りに行くのだが、そのときはnot for meだと感じたんだろうか。
そもそも“サックスは難しそう”がとんだ勘違いで、おそらく吹奏楽部で選択できる楽器の中で一番手軽だと言われるし実際そうである。と思う。
一世紀遅れてやってきた新生児
吹奏楽の楽器群の中でも100年ほど遅れてこの世に生まれたサックスは、18世紀の英智を総動員させて製作されたのでそりゃあもう機能的。
音の出し方から運指の並び、高音から低音まで同族で揃えたラインナップ等々
“ストレスは極力なくそうぜ!”という技術者たちの気概を感じる。
他の楽器はピアノくらいしかできないので、完全に素人目線になるが、管楽器に限らず他のあらゆる楽器は私にとって“当たり判定が狭い”と感じることが多い。
そのたび、サックスって痒いところに手が届く工夫がされていてすごいなと改めて感心する。
だからこそ、吹奏楽では指がピロピロした難しいパッセージを担当させられるし、形にして聴かせるポテンシャルがあるため、
私のような無知な小学生からすると「めっちゃ難しそうなヤツ吹いてる!」となるのだ。
(補足するまでもないが、本当に良い音楽を極めようと思うとどんな楽器も奥深く難しいことを添えておく。やりこみ要素も用意されていないとこんなに長くハマれないものね!)
誤配だったのか、導かれたのか
「サックスはナシだな😒」の出会いから、まさか何年も連れ添う仲になるとは。
直感とは信用ならないものなのか、それとも天のいたずらであえてサックスに導かれてしまったのか。
こうして中学校へ入学し、私は吹奏楽部へと仮入部するのであった。
(吹奏楽からの音楽生活史 2 完)
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