吹奏楽からの音楽生活史 3 仮入部

仮入部

全国の中学校共通の文化なのだろうか。


部活動に入る前、気になる部活を見学するだけでなく、実際に先輩達とおためし活動する

仮入部 というシステムがある。



ここでいくつか迷っている部活をハシゴするのもOKだが、私は迷わず吹奏楽部へ行き、そのまま本入部するまで他の部活には目もくれなかった。



私は小学5年生で横浜に転校してきたのだが、その時から同じクラスですごく仲良くしてくれた、


親友のまえちゃん


(このブログの登場人物はイニシャルで表そうと思っているが、まえちゃんは私の人格形成にすごく影響のあった大好きな親友なので、敬意をこめてその当時のままの名前にしたい)


と、一緒に吹奏楽部に入った。



吹奏楽部の仮入部は何をするか

仮、なのでせいぜい合奏を見学させてもらったりできるのかな…?と思っていたが、初日からガッツリ楽器を吹かされた!


音楽室に集合して、最初にさわらせてもらった楽器は‘’クラリネット'‘’

まぁ~~音が出ない!!!

スーっ!スーーっ!という空気の音しかしなくって、誰も音が出せなくて、一年生みんな絶望しました(笑)



クラリネットの先輩「もっと噛んで思いっきり吹いて!」

私「か、噛んで?!?!」


前歯をがっつりマウスピースにあてて噛む私。そして顔が赤くなるほど圧をかけて吹くと


先輩たち「音出た~~~!!(拍手)」



ぷ、ぴ~~みたいな非常に頼りない音だったが、周りの一年生も少しずつ音が出始めた。


こっちがいくら頑張って息を入れても、はねっ返りみたいな感触があって全然音になってくれないんですよね、ほとんどの管楽器って。

(これがいわゆる 楽器の抵抗感 というやつ)



4月いっぱいまでは仮入部期間

初日に、生半可な息では音すら出させねぇぞ!みたいな”管楽器の洗礼”を受けた私たち一年生は、翌日からは順番にすべての楽器を触らせてもらうこととなる。


私のように「トランペットをやってみたい」と思ったとしても、一通りすべての楽器を体験させられるシステムなのだった。


この仮入部という気楽な名称と裏腹に、この時点ですでにジャッジされていることを知る由もなく、毎日まえちゃんと吹奏楽部に通うのであった。


(吹奏楽からの音楽生活史 3 完)

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